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作業工程

原料生産から始まるかねしげの米パン作り

かねしげの米パンづくり概要

かねしげのパンづくりは、主原料である米の生産から始まります。何気なく当たり前の様に毎日食べているお米ですが、その生産は土壌づくり、育苗、稲の生育管理、病害虫防除、圃場管理、刈り取り、乾燥調整、もみすり等多岐に亘ります。この主要項目ごとの作業と日々の管理をクリアして生産されておりますが、どんなに良い土壌環境で栽培技術が発達しても最終的には天候に左右されるのが農業です。まさに天の恵みなのです。労力と時間をたっぷりかけてよい状態で稲が生育していても、たった一度の台風で壊滅することもよくあります。この天の恵みであるお米を丸ごと粉にして原料としたのが、かねしげの米パン。独自の原料と製法にこだわった農家直結のオリジナル製品であります。

作業工程の紹介

  1. 原料米の生産
    根っからの稲作地帯である庄内地方の中でも、「かねしげ」の所在する日向(にっこう)地域は、鳥海山麓の水、地形、土壌に恵まれたおいしいお米の産地です。前述の概要に沿って季節ごとの作業を実施し、1年かけておいしいお米を生産します。品種はササニシキ、味と人気は抜群ですが病気、倒伏に弱く栽培が難しいため作付け面積が減少し、生産量の少ない品種です。
  2. 自家製粉
    丹精込めて栽培したササニシキ(くず米は一切使用しません)を、自家粉砕機にて独自製法に適合した粒度に製粉します。
  3. 配合
    主原料の米粉にグルテン、砂糖、脱脂粉乳、塩等の副材料を正確に計量し配合します。
  4. 生地づくり
    配合しておいた原料に水、生イーストを加えミキサーで20分程度捏ねます。粉温度、室温、水温を調整し酵母が活発に活動する温度に捏ね上げます。
  5. 分割、計量
    出来上がった生地を少し休ませ、正確に分割計量し丸めます。生地に慣れないと扱いずらい生地です。
  6. 醗酵
    丸めた生地を、成形し型に入れたり丸めたりして発酵器に投入し発酵します。約1時間前後で終了。
  7. 焼成
    温度を切り替えながら180度位で30分程度焼き上げます。
  8. 冷却
    焼き上がったパンの粗熱を取り、スライスしたり袋詰めしたりして完了。4から8の工程終了まで約6時間かけて製造します。1個のパンでも最低この程度の時間をかけて手作業で製造しております。生産量が増加すると回転数が増加するという具合です。原料米の生産からパンの焼き上げまでを考えますと、1年がかりのパンづくりと言っても過言ではありません。お客様からの「おいしい」の一言を励みに日夜、米と米パンの生産に努力しております。
ササニシキ刈り取り前風景
ササニシキ刈り取り前風景

[秋晴れのもと出羽富士鳥海山とササニシキ圃場]
平成18年9月上旬の画像です。梅雨明けの遅れと低温、そして日照不足によって実りが心配されました。天候は、急激に持ち直しましたがササニシキの品質にとっては少なからず悪影響が出た年でした。

稲刈り風景と店主
稲刈り風景と店主

[米パンの原料米ササニシキの収穫]
実りの秋。今年もなんとか収穫することが出来ました。労力をかけ丹精込めて栽培した稲の刈り取りは、農家にとって1年がかりの集大成。ホッとするひと時であり、今迄の労働が報われる時です。コンバインで作業しているのが『かねしげ』店主の私です。

玄米の製粉作業
玄米の製粉作業

[ササニシキ玄米の自家製粉]
収穫した玄米を自家粉砕機で製粉しているところです。熱がかかりすぎると米の風味が低下するため、少量づつ粉砕して行きます。また、パンづくりに適した粒度にしなければならない重要な作業です。

米パン生地の製造模様
米パン生地の製造模様

[米パンの生地製造]
製造量に合わせて正確に計量した原料を、予め配合しておきます。ここからが米パンづくりの重要な作業が始まります。生地の出来具合で、その日の米パンの良し悪しが決まるため湿度、粉温度、室温、水温の調整を行いミキサーにかけます。毎日同じ方法で行いますが、最良と思われる生地を毎日つくることは、簡単な様でなかなか難しい作業です。米パンをつくり始めたころは、経験不足からか毎日の生地変化が激しく苦労しました。今でも、季節の変わり目などは要注意なので気が抜けません

米パンの発酵、焼成
米パンの発酵、焼成

[生地発酵と焼成]
食パンと丸パンの発行完了後、焼成中、焼成完了の画像。
水分の調整と焼成温度、時間の調整は毎日微妙に変化します。物づくりって奥深いといつも考えさせられます。